丸の内ドットコム

美味しいお茶の淹れ方

第7回「お茶の達人」に学ぶ意外と知らない美味しいお茶の淹れ方第7回「お茶の達人」に学ぶ意外と知らない美味しいお茶の淹れ方

美味しいお茶、飲んでいますか?ペットボトル入りやティーバッグも便利でいいのですが丁寧に淹れるお茶の味は格別です。自分のためにも、おもてなしにも、知っていると得をする美味しいお茶の淹れ方を、京都に本店を構え、本店以外で初の路面店となる東京丸の内店もある日本茶専門店、一保堂茶舗に教えてもらいました。

Interview

煎茶と玉露、番茶の違いを教えてください。
一保堂茶舗広報部の川越順子さんにうかがいました。

煎茶は生産量の6割を占める、一番よく飲まれている緑茶です。程よい渋みと甘み、爽やかさを持ち合わせたお茶です。朝のおめざや食後、仕事の合間のリフレッシュにと、いつでも楽しめます。産地は色々ありますが、一保堂では穏やかな香りと上品な甘み、まろやかな味わいが特徴の京都近郊のお茶を扱っています。5月のはじめ、その年最初に収穫する茶葉を一番茶といいます。一保堂では厳選した茶葉を仕入れ、さらに味筋を整えるためブレンドします。煎茶の中でも650円から2,500円まで値段の違いがあるのですが、その差というのはブレンドの違いなんです。値段の高いものほど旨みと甘みが強く、濃厚な味わい。値段の低いものほどさっぱりとした味わいです。

丸の内店の店内
丸の内店の店内は賑やかな通り沿いにありながら、静かで落ち着いた空気が流れている。

玉露は高級なお茶というイメージがあります。

玉露と煎茶は畑が違います。玉露の生産量は全体の1%にも満たないほど。作る人も少なく、希少価値の高いお茶です。玉露は摘み取る3週間前に畑全体に覆いをかけ、日光に当たらないようにします。旨みの成分であるテアニンが日光に当たると渋みの成分であるカテキンに変わるのですが、日光に当てないことによって、旨みが残ります。覆いのかけ方によっても価格は変わってきますね。独特の香りと、だしやスープのようなアミノ酸たっぷりの旨みがあり、ゆったりと堪能する嗜好品のようなお茶です

抹茶、玉露、煎茶、ほうじ茶
左から、抹茶、玉露、煎茶、ほうじ茶。

番茶はどのようなお茶なのでしょう?

番茶は日常使いのお茶。日常使いのお茶は地域によって違います。関東では“柳”という煎茶の大きくなった葉、関西では柳を焙煎したほうじ茶を番茶と呼ぶ家庭が多いかもしれません。いずれにしても、日常的にゴクゴク飲めるさっぱりした味のお茶です。

お茶の種類を学んだところで、美味しいお茶の淹れ方を伝授してもらいます。
今回は基本となる煎茶の淹れ方を教えてもらいました。

用意するのは急須、茶碗、茶葉、熱湯。タイマーや時計もあるといいですね。
ポイントは茶葉の量、温度、時間の3点です。

好みの器や茶葉
好みの器や茶葉を準備。

急須に茶葉大さじ2(1〜3人分)を入れます。急須の底が見えないくらい、結構たっぷりな量です。お出汁と一緒で少ない量だと美味しくなりません。

茶葉は思ったよりたっぷりと入れる
茶葉は思ったよりたっぷりと入れる。

熱湯を茶碗に注いで、80℃に冷まします。目安は勢いよく上がっていた湯気が小さくなるくらい。茶碗を温めることにもなります。熱いと香りと渋みが強く、ぬるいと甘みと旨みが強く感じられます。この80℃というのがどちらの要素もバランスよく引き出すちょうどいい温度なのです。
80℃に冷ましたお湯を急須に移し、蓋をして60秒待ちます。この間、急須を揺すったりしないことが大切です。

熱湯を茶碗に入れて冷ます
熱湯を茶碗に入れて冷ます、この一手間が大切。

茶碗にお茶を注ぎます。各茶碗に少しずつ注いでいきます。大切なのは最後の一滴までしぼり切ること。最後の一滴が、いちばん味が濃いのです。また、余計な水分を茶葉に残さないことで2煎目からも美味しくいただけます。
2煎目以降はお湯を入れたらすぐにお茶を注いでください。3煎は美味しくいただけます。1煎目は甘みと旨みを強く感じられ、その後、渋み、さっぱりした味わいへと変化するお茶の味を楽しむことができます。

旨みの詰まった最後の一滴
旨みの詰まった最後の一滴。

茶葉の保管はどうしたらいいですか?

茶筒に入れて常温においておくのが理想的ですが、茶筒がない場合は袋のままでも大丈夫です。開けたら1ヶ月以内に飲み切るのをおすすめしています。

これからの季節の楽しみ方は?

気温が上がってくると冷たいものが飲みたくなりますよね。そんな時には冷茶がいいです。水出しする方法と熱いお茶を氷の入った器に注いで急冷する方法があります。水出しは究極の甘みと旨みを味わえるので、少しの量で十分。急冷する冷茶は渋みも出て爽快感を味わえるので、たくさん飲めます。

一保堂茶舗
一保堂茶舗

京都に本店を構える日本茶の専門店。1717年に近江出身の渡辺利兵衛が寺町通に開いた茶や茶器を扱う「近江屋」が始まり。近江屋の扱うお茶の品質の良さが評判を呼び、1846年に山階宮から「茶 一つを保つ」ようにと「一保堂」の屋号を授かる。
2010年には京都本店以外で初の路面店「東京丸の内店」を開店。
http://www.ippodo-tea.co.jp/

Back Number