



今年も読書の秋がやってきた!
この季節に楽しみなのは、夏の暑さから開放され、過ごしやすい気候の中でのんびりと本を読む時間。集中してビジネス書を読みふけるもよし、小説の中で別世界に浸るもよし。さて、どんな本を読もうか。。。とはいえ、本屋さんに並ぶ膨大な数の中からは、なかなか選べない人も多いのでは?迷っているうちに、秋が終わってしまいそう。
そこで、「丸善・丸の内店」から3人のブックアドバイザーが、おすすめ本をピックアップ!本に関するエキスパートたちが、マーケティング、ファンタジー、恋愛小説といったそれぞれ違ったジャンルの作品と共に、プライベートで読んでいる本もご紹介します。

『スタバではグランデを買え! 価格と生活の経済学 』 吉本佳生 著 / ダイヤモンド社 1,680円
経済学という副題がついていると少々難しいイメージになりがちですが、丸の内エリアでも多く目にする「スタバ」が題名に入っていると、ちょっと気になってしまいますよね。他にもペットボトルなどの価格差、DVDや家電の価格変動、100円ショップのしくみなど、身近なものを例にしているので、実際の消費生活と密接している分、ビジネス書をあまり読まない人でもとても入りやすいと思います。
特に女性は、内容や価格を充分吟味して、納得してから買いたいと思う方が多いのではないでしょうか?コストに対する認識が深まり、ビジネスとしての価格の仕組みがわかれば、今までの買い方が果たして正しかったのか、本当に得をしていたのかどうか、別の角度からの答えが見えてきて、消費への考え方が変わるかもしれません。経済学の入門書としてもおすすめです!
(取り扱いフロア 1F ビジネスコーナー)
【ブックアドバイザー 山本佳子さん】
「法律関係の書籍を担当していますが、普段は文芸書を読むことが多いですね。最近読んで面白かったのは、武田百合子の『富士日記』です。夫の武田泰淳と13年にわたり過ごした日々、富士山麓の別荘と赤坂の自宅との行き来の様子がほのぼのとしていて、お気に入りのひとつになりました。

『家守綺譚』 梨木 香歩 著 / 新潮社 380円 ☆ 『カラフル』 森 絵都 著 / 文春文庫 530円
児童文学出身の作家によるこの2作品は、子供に向けて物語を書いていただけあり、深い事柄がやさしい言葉で表現され、日本語がとても美しいのが魅力です。
『家守綺譚 』 は100年前の日本を舞台に、亡き友人の家を守る主人公の身に起きる不思議な出来事が綴られます。サルスベリの木に惚れられたり、床の間の掛軸から死んだ友人が現われたり。。。ユーモアがありながら、しっとりとした不思議な後味を残してくれます。
また、死んだの主人公「ぼく」が輪廻のサイクルに戻るために、自殺した14歳の少年に乗り移り、前世で犯した悪事を思い出していくという 『カラフル』 は、たくさんの色を持つ人で世界は満ちていることに気付かせてくれる、心温まるストーリー。少年少女だった頃、誰もが経験していそうな出来事をふと思い出しそうな作品です。ふだん実用書ばかり読んでいる方も、時にはファンタジーの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょう。(取り扱いフロア 3F文庫コーナー)
【ブックアドバイザー 大熊一郎さん】
最近は「科学」や「数学系」にハマッています。『フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』は、17世紀にフェルマーが残した数学界最大の「超難問」を解くまでの数学者達の努力を追ったノンフィクションで、暗号を解読していくような気分が味わえますよ。

『言い寄る』 『私的生活』 『苺をつぶしながら』 田辺聖子 著 / 講談社 各1,575円
装丁がとても綺麗で、思わず手に取りたくなるこの3冊、それぞれ別の題名ですが、同じ女性が主人公として登場する続きのお話しなんです。
ひとりの女性の恋愛模様と人生を描いたこの三部作、30年も前に書かれたというのに、今読んでも新しい感覚で読めるのは、現代の女性にもあてはまる部分が多いからなのだと思います。携帯電話など無かった時代のお話にもかかわらず、女性の気持ちや、男女の恋愛に関する悩みはほとんど変わっていない気がします。本当に好きな人には本音が言えない主人公に対して、共感する女性が多いのかもしれません。一冊読み終えるごと、その先がどうなるのかが気になって、一気に読んでしまいたくなるストーリー。これから読む方のためにあまり詳しくお話ししない方がよさそうですね。男性が読んでもきっと楽しめる作品です。(取り扱いフロア 2F文芸書女性作家コーナー)
【ブックアドバイザー 小山晶子さん】
恋愛小説はドロドロしていそうで苦手なので、最近は『タイタンの妖女』のような、SF作品を読むことが多いですね。その私がつい読んでしまったのが、今回紹介した『言い寄る』です。本の帯に男性の意見も書かれていて面白かったんです。本を選ぶ時には、帯にも注目して探してみるのもいいかもしれませんよ。

『 yom yom(ヨムヨム) vol.4』 / 新潮社 680円
新潮社から隔月で出ている文芸誌。キュートな表紙が今までの文芸誌とはまるで違った雰囲気です。角田光代、川上弘美、重松清らの読み切り短編小説や、金原ひとみ、島本理生のエッセイなど錚々たる人気作家たちがこの1冊の中に名を連ねています。複数の作家の作品を一度に読めるので、ここで好きな文体を探してから、その作家の本を読んでみるのもおもしろい!
(取り扱いフロア 3F)