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第24回 “絵本の達人”に教わる大人がハマる!絵本の魅力第24回 “絵本の達人”に教わる大人がハマる!絵本の魅力

新しい本を手に取りたくなる読書の秋。
子供だけでなく、大人も楽しめる絵本で、ほっと一息つきながらココロを動かす体験をしませんか?
ブックミュージアムをコンセプトに、幅広いジャンルの本を揃える「丸善・丸の内本店」に、絵本の楽しみ方を教わりました!

Interview

全国に36店舗を展開する丸善は、創業150年。本の品揃えはもちろん、座り読みスペースをいち早く設けるなど、じっくりと本を選べる雰囲気作りにこだわっています。また、本選びに困ったら、知識豊富な販売員の方にアドバイスを受けることもできます。丸の内本店は2004年に開業。観光客やファミリー、ビジネスパーソンなど、様々なお客様でいつも賑わっています。今回は児童書担当の八木亜季子さんに、大人が楽しめる絵本について教えてもらいました。

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児童書担当の八木亜季子さん。

大人も楽しめる絵本の魅力や最近の傾向について教えてください。

子供だけではなく性別や年代を超えて、一人一人違った楽しみ方があるのが、絵本のよさだと思います。最近大人の方にも評判の絵本を挙げますと、『エジソン ネズミの海底大冒険』(トーベン・クールマン作、金原 瑞人訳、ブロンズ新社刊)のように、重厚で緻密な絵とともに壮大なストーリーをじっくりと堪能できる作品や、美しい色彩で描きこまれた世界に思わず引き込まれる、いっさい文字のない絵本『Michi』(junaida作、福音館書店刊)などがあります。装丁もとても綺麗なので、大切な方へのプレゼントにもおすすめです。
また、衝撃のデビュー作『りんごかもしれない』で、一躍人気作家となったヨシタケシンスケさんの『ころべばいいのに』(ブロンズ新社刊)はタイトルだけを見るとネガティブな印象を受けますが、そこはやはりヨシタケさん。負の感情を客観的に見ることで気持ちが整理され、いつの間にか前向きな気持ちになっている自分に気づきます。その発想の転換力には脱帽です。

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『エジソン ネズミの海底大冒険』2,400円(税別)。絵を眺めているだけでも楽しい。

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『Michi』2,300円(税別)。ページをめくるたびに、細部にまでこだわった街の絵があらわれる。

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『りんごかもしれない』『ころべばいいのに』 各1,400円(税別)。

丸の内界隈で働く方々におすすめの絵本はありますか?

毎日忙しいビジネスパーソンの男性、女性の方へ、とイメージして選びました。
まず1冊目は、男性向けに『やまのかいしゃ』(スズキコージ作、片山健絵、福音館書店刊)です。町の会社に勤めるほげたさんは、朝寝坊して慌てて逆方向の電車に乗ってしまい、着いたところは山の駅。そこへ同僚のほいさくんがやってきて、二人で今日は山の会社に行くことにするというストーリー。初出は1986年。当時は破天荒に思えたかもしれない設定も、働くスタイルが多様化した今は、違和感なく読めるのが面白いところ。「仕事は忙しいかもしれないけど、遊び心を忘れずに痛快なことをやろうよ!」と、隣でほげたさんが言ってくれているように感じます。疲れているときに肩の力を抜いてくれる一冊です。

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『やまのかいしゃ』 1,500円(税別)。

2冊目には、女性向けに『レナレナ』(ハリエット・ヴァン・レーク作、野坂悦子訳、朔北社刊)を選びました。好奇心旺盛な主人公の女の子、レナレナの日常の様子が淡々と描かれています。みみずや小鳥たちと戯れる彼女の姿を見ていて、海洋学者レイチェル・カーソンが提唱した「センス・オブ・ワンダー(自然や神秘な事柄に目を見張る感性)」という言葉が頭に浮かびました。自然との触れ合いのなかから、身をもって新鮮な発見を得るよろこび。レナレナと絵本のなかで遊んでみたら、忘れていた子供の頃のワクワクした気持ちを思い出すかもしれません。 

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『レナレナ』1,500円(税別)。

最後は、男性にも女性にもおすすめしたい1冊、『きみがしらないひみつの三人』(ヘルメ・ハイネ作、天沼春樹訳、徳間書店刊)です。人が生まれて、成長し、老いて、死んでいく。その一連を優しい語り口で表現した絵本です。「死」という部分まで描いているからこそ、大人にも響くのだと思います。自分の中に自分だけの3人の味方が確かにいると想像してみると、なんだか元気が湧いてくるんです。それと同時に自分をいたわって大事にしようという気持ちになります。
ぜひ一度児童書売場に足を運んでいただき、そのときの気持ちに寄り添ってくれるような絵本との出会いがありましたら幸いです。

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『きみがしらないひみつの三人』 1,300円(税別)。

丸善・丸の内本店の特徴やこだわりはどんなものでしょう?

和書約100万冊・洋書約12万冊の在庫数を持つ日本最大級の総合書店です。丸の内本店ならではの品揃えに加え、イベントも積極的に行っています。
児童書売場でも、読み聞かせの会や作家さんを招いてのワークショップやサイン会、原画展などを開催し、本との出会いのきっかけを作り、その魅力を伝えられるよう心がけています。児童書はロングセラーが多いジャンルですが、私たちは新刊の売り方にも工夫を凝らしています。いま、本当にお客様におすすめしたい新刊の売場展開には熱が入ります。いつも新鮮な発見があるような売場を作っていきたいと思っています。

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丸善・丸の内本店

東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ 1~4F 丸善
tel:03-5288-8881
9:00~21:00
無休(但し、1/1及び法定点検日は除く)
https://www.marunouchi.com/tenants/2015/index.html

投稿日:2019/9/27(金)

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