アートに出会う、アートに触れる。
丸の内ストリートギャラリー。
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実施中!
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※No.13の作品は2019年に設置予定です。
無題
加藤の作品でよく表現されるのが「プリミティブ、または胎児のようなモティーフ」。独自の世界観を持つペインティングを中心に発表してきましたが、2005年より本格的に彫刻作品を発表し始めました。その後ソフトビニールなどを使い、さらに最近は、石、珊瑚、革や布などを用い、絵画と彫刻の境のない、自由な表現の展開に挑んでいます。本作品のシリーズは、新しい仕事として2016年よりスタートしました。このシリーズは、作家自身がまず石を選ぶ時点で、絵が描かれた最終的なイメージが湧くことが重要です。その選ばれた石を彫塑せず組み合わせることで、ある程度の造形がつくられ、絵を描くことで、作為的な造形のない石の個性と作家の創作が組み合わされ、絵画とも彫刻作品ともいえる単純ではありながらも独自の作品が生まれます。本作品は展示される丸の内仲通りの環境に合わせ、立像をイメージして制作されました。
1969年 島根県生まれ
主な展覧会は「リトルボーイ」 (ジャパンソサエティ、ニューヨーク、2005年)、ヴェネチア・ビエンナーレ企画展 「think with the senses, feel with the mind」(イタリア、2007年)、「Japanorama : New Vision on Art since 1970」(ポンピドゥー・センター・メッス、フランス、2017年)など。個展としては箱根彫刻の森美術館(2010年)、鹿児島県霧島アートの森(2012年)、Red Brick Art Museum(北京、2018年)、今後の予定としてはCasa Wabi(メキシコ、2019年)、原美術館(東京)/ハラミュージアムアーク(群馬)(同時開催、2019年)など。近年は海外を中心に発表し、国際的に評価されるアーティストのひとりです。また公共空間での展示として本作品は、香港の元警察署と刑務所の跡地の歴史遺産の再開発プロジェクトとして新しくオープンしたアートと商業施設を融合した施設、Tai Kwun-Center for HeritageArts(香港、2018年)に続く、日本では初めての発表となります。
われは南瓜
南瓜は、草間がもっとも好んで使っているモチーフ。これまで数多くの作品を生み出していますが、本作は初めて石彫で作られた作品です。
タイトルの「われは南瓜」と素材として使われた石の関係について、草間は自身のテーマである「永遠(とこしえ)」に例えています。半永久的に残る素材(黒御影石)に南瓜(草間自身)を重ね合わせて、永遠の命を作品に吹き込みました。
1929年 長野県生まれ
前衛芸術家、小説家。1929年長野県松本市生まれ。幼少期から幻視・幻聴を体験し、網目模様や水玉をモチーフにした絵画を制作し始める。
1957年に渡米、単一モチーフの強迫的な反復と増殖による自己消滅という芸術哲学を見出し、ネット・ペインティング、ソフト・スカルプチャー、鏡や電飾を使ったインスタレーションやハプニングなど多様な展開を見せ、前衛芸術家としての地位を確立。
以降、世界各地の美術館で展覧会を開催、近年ではテート・モダンやポンピドゥー・センターでの大規模回顧展が多大な反響を呼び、2013年からの中南米巡回ツアーとアジア巡回ツアーでの動員により、動員数200万人以上を記録。これによりイギリスの美術専門誌「THE ART NEWSPAPER 」から「2014年最も人気のあるアーティスト」と評される。2016年に文化勲章を受章。2017年より、ワシントンDCのハーシュホーン博物館と彫刻の庭を皮切りに、北米ツアーが巡回中。
コズミック・アーチ '89
鹿田の作品は幾何学形態が特徴で、垂直や水平を軸にした西欧の合理的な思考が強いものでしたが、留学後はそこに有機的な曲面と、日本人としての東洋的な思考が取り入れられ、二面性の見られる作品に変化していきました。
本作品は帰国して数年後に制作された「Cosmic(宇宙的な)」シリーズのひとつで、垂直にのびた2本の柱が曲線を帯びながら結合しています。鹿田は平面の作品においても、水墨画などで刷毛目を使った美しい直線と曲線の作品を描いていますが、それは日本古来の水の表現であり、そのストロークは本作品にも施され、より重厚感をもたらしています。
1958-2003 京都府生まれ
1981年金沢美術工芸大学彫刻科を卒業後に、メキシコ国立自治大学大学院に留学、帰国後はヘンリー・ムーア大賞展、宇部市の日本現代彫刻展をはじめ様々な野外展に出展、数多くのパブリックコレクションを手がけました。
メキシコではピラミッドや神殿、マヤやアステカの先人たちがそこに残した天体や宇宙の法則やその関わりについての思想や信仰にとりわけ影響を受けました。
つくしんぼう
現代陶芸から現代アートの世界で活躍がめざましい桑田。目に飛び込んでくるビビッドな青や黄色の素地に重ねた金彩や白金彩は一見ポップな印象ですが、陶芸の伝統的な技法である石はぜ、梅花皮や本作品でも使われている点滴などが使われており、そこから生み出される大胆な造形の茶碗や彫刻作品は桑田作品の代名詞となっています。
近年では1メートルを超える大きさの茶碗や、またそれ以上に大きな彫刻作品も精力的に制作しています。素材に触れることや、やきもののプロセスの中での感動を、自身を通し表現することで、今の自分、社会との繋がり方や関係性を確認しています。
1981年 広島県生まれ
2002年より陶芸家・財満進氏に師事し、現在は岐阜県土岐市に工房を構えて活動中。2015年に草月会館のイサムノグチの石庭「天国」で個展、巨大なオブジェを発表。2017年「Frieze Sculpture 2017」では、世界の著名なアーティストと肩を並べて大作を展示しました。それ以外にもニューヨーク、ブリュッセル、ロンドンなど世界各地で個展やグループ展に出展しています。
SPIRAL.UQ
木戸作品は初期作品から現在にかけておおよそ三期にわけることができます。初期の作品は二次元から三次元への転換、二期目はそこに螺旋の要素が加わり、現在までに至る80年代後半からは、螺旋のかたちそのものがテーマになっています。
三次元空間の美しい螺旋の形状を生み出すため、緻密な計算式でSIN曲線(サインカーブ、正弦波)を元に手書きで作図し(現在は自身が作成したプログラムで数式を計算している)、それを作家自身は「数字によるデッサン」と表現しています。その螺旋の捻れ複雑にかつ規則性をもつ数式は、磨き込まれたステンレスによって美しい曲面を描き、鏡面に映り込む空や周囲の景色は作品と環境と共生するようです。
本作品はシリーズのなかでも特に構造が複雑で、これまでの集大成ともいえる作品です。正面からは規則性のある螺旋の渦状ですが、視線を徐々に横に向けていくと、螺旋は捻れを帯びながら複雑に入り組んだ集合体で、そのフォルムは球体から成ることに気づきます。
1950年 石川県生まれ
1976年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。1979年第64回二科展二科賞、1983年第3回ヘンリー・ムーア大賞展優秀賞、第10回現代日本彫刻展宇部市野外美術館賞、1986年第2回東京野外現代彫刻展優秀賞を受賞。数多くの展覧会と公共施設や美術館に作品を所蔵されるなど彫刻家として第一線で活躍する一方で、1986年から東京藝術大学で教鞭をとり、2018年3月に退任するまで指導者としても後進たちの育成にも尽力しました。
Bird 2014-03B
Animal 2016-01B
672018年制作(ブロンズ・着彩)
もう随分と昔の話。動物に名前もなく、出会った人もいない時代。森で最初に出会った人は村に帰って、どのようにして、出会った動物を村人に伝えたのでしょうか。身振り手振りで伝えたかもしれないし、絵を描いて伝えたかもしれない。彫刻をつくって伝えた人もいるだろう。動物に出会った時の、恐怖と感動と驚き、初めて人に伝えるスリリングな感覚。そんな気持ちがどこかにあるのかもしれない…。そこが現代の東京。さらには、丸の内の路上で動物に出会ったらどうでしょうか…。
三沢は、この十数年動物をテーマにした「アニマルズ」を発表し、支持を得ています。ブロンズをほぼ等身大に彫り込み彩色をした動物たちが、圧倒的な存在感を放ち、見るものの記憶やイメージを喚起します。
Animal 2017-01-B2
132017年-2019年制作(ブロンズ・着彩)
「クマ」と聞いて人々がイメージするのは、キャラクターにされると身近で可愛らしい・愛くるしいものにもかかわらず、実際の「熊」を想像すると、鋭い爪や牙を持ち、獰猛で生態系の中でもトップに君臨し、堂々たる姿は神格化され、森の主と崇められたりしています。
動物の中でも、特にクマにはこの二極化なイメージを持つ人が多いでしょう。本作品では、そんなキャラクターとリアルの中間的なイメージを作品に表現しています。
このクマは高さが約3メートルもあり、三沢作品のなかでも大きな作品になります。ここでは台座にも乗っているので、より大きく感じる人も多いのではないでしょうか。二足で立つ姿は威嚇するポーズであり、他の動物にはない実にクマらしい人間のような象徴的なポーズでもあります。
様々な目的で大都会を行き交う人々を決して威嚇することなく、高いところから空間全体を眺めています。皆さんにはその表情がどんな風にみえますか?
たまに目を合わせてみてあげてください。クマはいつもそこにいます。
1961年 京都府生まれ
1989年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。
2000年動物の姿を等身大で彫った木彫「Animals」を制作開始。同年より西村画廊(東京)で個展開催。2007-08年平塚市美術館など全国5館で巡回展。以後各地の美術館で個展を開催。近年の展覧会に、2017年「アニマルハウス 謎の館」(渋谷区立松濤美術館)、2018年「Animals in Yokosuka」(横須賀美術館)、「Animals in Toyama」(富山県美術館)など。主な受賞歴に2001年第20回平櫛田中賞、2019年第41回中原悌二郎賞など。近著に2013年の作品集「ANIMALS NO.3」(求龍堂)、「動物の絵」(青幻舎)。神奈川県在住。
Hard Boiled Daydream
(Sculpture/Spook) #1
本作品は漫画の背景などにでてくる絵の「石」「粘土」「木」など彫刻作品の素材として使われるものを抽出し構成した、いわば抽象彫刻。ステンレスの板はバランスの良いポジションでギリギリの均衡を保ち維持しているかのようです。
金氏は日常の身の回りにあるモノや概念をコラージュ・集積し再構成させることでモノに新たな価値を生み出みだしてきました。近年はアートを基盤に演劇の美術監督、建築の分野と接点をもつことで、これまでのヒューマンスケールな作品サイズのみならず、現実の建築や空間と直接関係を持つようなサイズの作品も見られるようになりました。本作品は漫画の絵を大きくし、素材自体でギリギリの均衡を保ちながら、イメージの物質性やスケール感の無さを逆手に取り、物質性や物理現象とイメージの乖離や意味を離れた関係性の構築に挑んでいます。60~80年代の漫画から切り抜かれたモチーフは、過去に想像された未来や物語が、現在の現実空間に構築されることで、どこでもない複雑で不確かな現代の空間性を体現すると同時に、それが新たな想像力を生む装置としても機能するのではないかと金氏は考えています。
1978年 京都府生まれ
2009年に横浜美術館で当時美術館としては最年少となる個展開催が大変な話題を呼び、現在までにアジア・ヨーロッパ・アメリカなど世界各地で展覧会を開催しています。近年では作品制作のみならず、舞台演出や、デザインと活動の域を一つの世界に留まらずたえず挑戦を続けています。2018年5月には六本木アートナイトのメインアーティストとして、近年の金氏の活動の集大成ともいえる、チェルフィッチュの岡田利規、ダンサーの島地保武を始め、金氏作品と様々なクリエーター達のパフォーマンスが融合した作品を展開しました。
the Garden(屋根裏の庭)
本作品が初めて発表されたのは、2011年ヴェネツィアでのグループ展で、展示場所が屋根裏部屋であったことから「屋根裏の庭」と題されました。翌年、同作品は、Axel Vervoordtのビューイングルーム(ワインエーゲム、ベルギー)で展示され、「the Garden」や「Kokufu’s installation」と呼ばれ、展示環境によってタイトルを変えていたそうです。
今回の展示では、ご遺族のご意向も汲みまして、この環境を鑑み、タイトルを「the Garden(屋根裏の庭)」とし、作品を再構成しました。
パラボラアンテナを庭に見立て、展示する場所のゆかりの土や植物を植えています。すでに植込み前から土中の自生するもの、仲通りに展示されてから鳥や風が落としていった生命や種が、ここで時を経ながらどんな物語を紡いでいくのでしょうか。
パラボラアンテナは上に向いているとまるで皿に見える。私はそこに土を盛り、植物を植えた。工業的な鉄骨に支えられて宙に浮いた土地は、何ものかによって大地からきりとられた庭のようである。自然を切り取ってみせるということは、もともと存在した地面の上で人間が文明を築く行為の始まりだったのではないか、と感じた。
「KOKUFUBOOK-國府理作品集」(2016年、青幻舎刊)より
1970-2014 京都府生まれ
國府は機械や植物といった様々な素材を用いて、立体作品を制作。それらに内包されるイメージをもとに、人間のいなくなった世界で、その痕跡と共生する自然、あるいは文明社会の諸相を表現しようと試みた作品を数多く手がけました。
2011年グループ展「TRA: Edge of Becoming」(Palazzo Fortuny、ヴェネツィア、イタリア)へ出展、2013年に個展「國府理 未来のいえ」(西宮大谷記念美術館、兵庫)、「あいちトリエンナーレ2013」(中央広小路ビル、名古屋)、そして2014年には個展「國府理展 相対温室」(青森公立大学 国際芸術センター青森)を開催、これからの活躍が期待されていた矢先、同年4月に44歳で急逝しました。
風の椅子
長谷の彫刻はイタリアの現代彫刻の形式的な芸術性のなかに、日本の伝統が垣間見えます。まるで詩を詠うように繊細で官能的であり、非常に洗練されたブロンズのフォルムには緻密な細かい細工が施され、深く落ち着いた風景の存在と叙情的な印象を与えます。
遠く神話の時代に想いを馳せる時、碧く思慮深い海や母のような大らかな大地を流れる風の音は、神の声に聞こえることがある。音が声になり光が形になって。
「第2回フジサンケイ・ビエンナーレ現代国際彫刻展」図録より
1950年 東京都生まれ
1977年東京藝術大学大学院工芸科彫金専攻修了。1982年イタリア政府給費留学1984年イタリア国立プレラ美術アカデミア卒業。彫刻家アリク・カヴァリエーリに師事し、現在イタリア・ミラノを拠点に活動しています。1997年ド フォルニ賞、1999年ノーヴァミラネーゼ市主催「BUGATTI賞」にてブガッティ賞受賞など。2001年ヴァチカン市国より大聖年のための宝物箱を依頼制作。
石のとびら
ほんのり紅がさしたブルゴーニュ産の白い石の扉が、いまにも開いて、石の奥底から響いてくる神秘の声を聞かせてくれそうです。デリケートなカービングによって端正な形姿を取らされた石が、石でありながら冷たくなくむしろ暖かく息づいているように感じませんか。
19252008 京都府生まれ
1953年東京藝術大学彫刻科卒業。同年にフランスに移住し(その後拠点)、1957年まで、パリ国立美術学校で学びました。1959年第1回パリ青年ビエンナーレでシュス個人賞受賞。1962年第一回ベルリン彫刻シンポジウムでドイツ批評家賞受賞。1964年第7回高村光太郎賞受賞。
ヨーロッパ各地の展覧会に出展、フランス国内に数多くのパブリック彫刻を手がけました。日本では、丹下健三設計の代々木体育館の回廊の壁面レリーフ「化石の余韻」(1964年)を制作しています。
ローマの公園
本作品は、実際にローマのボルゲーゼ公園で見た光景をもとに制作されました。老女と若い娘がベンチに腰かけ語り合う、我々が日常生活でよく見かける光景ですが、淀井の頭の中にはその場面が特に印象深く残っていたといいます。そして帰国後さっそく制作を開始。原型は鉄で骨組みをつくり、直接石膏をつけて作られており、枯れ木のようなゴツゴツした肌が、風景の中に自然に溶け込みます。ベンチのやや左よりに腰かけたふたりの何気ない動作や視線から、ふたりの間にあるほのぼのとした感情と人生が伝わってきます。
1911-2005 兵庫県生まれ
東京美術学校(現:東京芸術大学)彫刻科に入学し、塑像を北村西望、木彫を関野聖雲に師事しました。この「ローマの公園」シリーズで1977年に日本芸術院賞、同年に長野市野外美術賞を受賞しています。 1982年日本芸術院会員、1998年二科会理事長に就任。1994年に文化功労者、2001年に文化勲章を受章しました。
心棒に石膏(せっこう)を直接つける独自の作風を確立し、その特徴的なゴツゴツしたディティールで人物や動物像といった具象彫刻を数多く制作しました。
また出身地である兵庫県朝来市に1999年あさご芸術の森美術館・淀井敏夫記念館が開館しました。
恋人たち
1915-2005 イギリス生まれ
バーナード・メドウズは、ヘンリー・ムーアの助手を務めていたこともあり、丸みを帯びた造形は師の影響を思わせます。
「恋人たち」は、題名からも官能的なかたちの生き物を連想させる作品です。本体にあいている小さな穴は目のようにも見え、表面が鏡面のため周りの世界が映り込むので、外側から鑑賞しているのではなく、逆に作品の内側から私たちが覗かれているような感覚を覚えます。
うずくまる女 No.3
1913-1995 イタリア生まれ
イタリア現代具象彫刻家を代表する作家のひとりでもあるエミリオ・グレコは、女性の美しさを単純化した造形で知られています。豊満で奔放に生命を謳歌する、美しい伸びやかな女性像が代表的。「うずくまる女」は連作シリーズですが、このNO.3は、首をかしげながら膝を抱えることで体を隠しながらも官能的な美を感じさせます。一号館広場の美しい木々や草花とともにお楽しみいただきたい作品です。
拡散する水
1927-2001 キューバ生まれ フランス国籍
キューバ生まれの彫刻家カルデナスは、自身のルーツであるアフリカの原始美術を思わせる造形志向を持った作家です。人間とも植物とも連想できるような、融合した造形を得意としています。本作品は放出した水を有機的に表現していますが、生き物のような生命力も感じさせます。