A.A.T.とは?
アートアワードトーキョー(A.A.T.)は、日本の主要な美術大学・大学院の卒業制作展へ足を運び、を訪ねまわり、その中から選抜した作品・作家を、丸の内地下にある御幸行幸地下通りギャラリーに一堂に集め、それに続く公開審査によりグランプリ賞を与えるというものです。
このように書くと、単なる「大学卒制展」のように思われるかもしれませんが、我々の意図には、もっと大きな「ミッション」があります。いかにして世界へ飛躍する若き才能を発掘できるか、そして、その評価軸と継続的なしくみを構築していけるかという挑戦です。したがって、作品のリサーチに関しても、各美術大学をまわりセレクトする訪問し選定する際においても、グローバルなアート動向、クリティカルな検討、作家が今後にわたりも制作していく力をどれぐらい持ち得ているかを大きな判断基準にしています。つまり、単なる「卒制」という守られた内での評価ではなく、「若きアーティスト」として、世界で通用するアーティストかどうかという目で判定したいのです。審査員サイドにもまた、つねに自分の目、批評力、判断力が問われることになるのは言うまでもありません。
昨年の第1回のA.A.T.は、展覧会として大きな評判を呼んだだけでなく、それをステップに、多くのアーティストがギャラリーに所属することになり見出され、また美術館でのグループショー展覧会などに招聘されたりする等の結果を生みましたにつながりました。2008年度の、の第2回目は、その手応えを、より実体化し、加速させたいと考えています。また同時に、「若きアーティスト」をサポート、分析もするクリティックをも重視しなければならないとも考えています。
いよいよA.A.T.が、日本のアートの未来を拓いていきます。
後藤繁雄
(編集者/クリエイティブディレクター/京都造形芸術大学ASP学科教授・学科長)