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アワード/Awards

審査について/Selection

全国の主要な美術大学・芸術大学・大学院18校の卒業修了制作展を訪問し、5,200点以上の中から発掘したノミネート作品125点より、さらに厳選した25作品の卒業制作を展示。最終日の9月25日(金)に、審査員による最終審査を実施し、グランプリや審査員賞など全11賞を決定します。

Will feature 25 brilliant pieces selected from among the graduation projects of students at 18 major art universities and graduate schools around Japan. More than 5,200 artworks were showcased in the graduation projects around Japn, and 125 of them were nominated, and 25 of the art pieces were specialy chosen to be exhibited in AATM Of the 25 nominated pieces, 11 outstanding pieces will be chosen to receive the Grand Prize, Judge’s Prize and nine other awards on the final day of the exhibition (Friday, September 25th).

グランプリ /Grand Prize

許 寧Kyo Nei

多摩美術大学大学院

Tama Art University Graduate School

審査員コメント
線的な要素と色彩的な要素とをフォーマルな観点からエレガントに組み合わせた画面の美しさに魅せられた。一見即興的な描写に思えるが実のところは、緻密かつ繊細な感覚に支えられた世界である。具象的な継承を潜在させている点も興味深い。

多摩美術大学 学長、埼玉県立近代美術館 館長/建畠 晢

Oil Painting in history--Freedom

AATM三菱地所賞/AATM2020 Mitsubishi Estate Co.,Ltd. Prize

岩森 咲季Saki Iwamori

東京造形大学

Tokyo Zokei University

審査員コメント
作品のイメージが立ち上がる様相と、鉄の彫刻の制作プロセスを見事にシンクロさせていることに感心しました。彫刻が立ち並ぶ姿が、ここで働く人々のようにも、擬人化されたビルの群れにも見え、この場所に展示されることがふさわしく、大きな効果をあげている点を評価しました。

三菱一号館美術館 学芸員/野口 玲一

ナヤミビト/nayamibito

丸の内賞(オーディエンス賞) /Marunouchi Prize (Audience Prize)

青山 夢Yume Aoyama

東北芸術工科大学

Tohoku University of Art & Design

術中デモクラシー/Initiation Ceremony

フランス大使館賞/French Embassy Prize

近藤 七彩Nanase Kondo

東北芸術工科大学

Tohoku University of Art & Design

審査員コメント
近藤七彩の芸術的アプローチは、作品の中心にある古家具を、装飾したり改良したりすることではなく、用途を考慮することなく、それらを拡張させ、その現実をわずかに「ずらす」ことである。様々な素材をミックスし、本来の機能を持たせず素材に手を加えることで、職人技と抽象化の両方から解放され、私たちを別の次元に導く。こうして作家は、 あらゆる実用主義的な目的に反して、これらの日常的なオブジェクトにある種のオーラをまとわせ、ずらしの効果と新しいフレームを与えることで、新しいパースペクティブを与えようとしている。

在日フランス大使館 文化担当官/サンソン・シルヴァン

奇ッ怪家具/curious Furniture

BLUE MOON賞/BLUE MOON Prize

谷口 洸Akira Taniguchi

東京藝術大学大学院

Tokyo University of the Arts Graduate School

審査員コメント
ダイナミックな色づかいや作風とのびやかな線づかいにBLUE MOONとの親和性を感じました。かたや、キャンバスを自作したり絵以外の表現にもこだわりを含める姿勢にも我々のものづくりと共感を得る部分があります。今後の取組が楽しみです。

モルソン・クアーズ・ジャパン株式会社

K.K

今村有策賞

大川原 暢人Nobuto Okawahara

京都市立芸術大学大学院

Kyoto City University of Arts Graduate School

審査員コメント
大川原氏の作品は身体、人間の関係、社会におけるアンバランスとそれに抗う絶妙なバランスがテーマであると思っていたが、審査中、作家から「崩壊の安心感」という言葉があった。いや、面白いことをいう。

東京藝術大学大学院美術研究科 教授/今村 有策

木綿のハンカチーフ/Momen no Handkerchief

木村絵理子賞

松井 暢也Nobuya Matsui

武蔵野美術大学

Musashino Art University

審査員コメント
絵画というものが本来、イメージやコンセプトに視覚的永続性を与えるための手段であるとするならば、作品の支持体である紙の裏面に糊のついたガムテープを貼るという行為は、保存を拒絶し、劣化と忘却に向けて時間を早送りすることに他なりません。定着と破壊という相反する行為を共存させようとする絵画への挑戦が興味深い作品です。

横浜美術館 主任学芸員/木村 絵理子

瑰麗 /Kairei

後藤繁雄賞

磯崎 隼士Hayato Isozaki

東京藝術大学大学院

Tokyo University of the Arts Graduate School

審査員コメント
磯崎隼士の作品は、自らの血液をむき出しの板に塗った平面作品であった。一見スキャンダラスに思える作品は、表現に誠実に対面せんとする究極の選択であり、深い思考の賜物だと思われた。ゲーム的な世に、彼の作の稀有な真っ当さは、ラブリーですらある。

編集者、クリエイティブディレクター、京都芸術大学 教授/ 後藤 繁雄

遺稿/manuscript

小山登美夫賞

土田 翔Sho Tsuchida

東北芸術工科大学

Tohoku University of Art & Design

審査員コメント
自分の対象に対する妥協のないリサーチと実際の体験をもとに描く。その姿勢が画面にもたらす強さは自然の持つ強さそのものにつながり、作品そのものが人が作ったものでありながら、自然のものとして存在するのが素晴らしいです。

小山登美夫ギャラリー 代表、日本現代美術商協会 代表理事/ 小山 登美夫

推本遡源/Probable origin

建畠晢賞・長谷川新賞

木田 陽子Yoko Kida

京都市立芸術大学

Kyoto City University of Arts

審査員コメント
吐き出すでも飲み込むでもなく、結局SNSの下書き保存に放置される他ない言葉の羅列を、木田は陶器にして「保管」する。本来であれば著しく敵対関係にある文字と火がここでは共闘し、『華氏451度』よりもはるかに高温で焼き固められた文字たちは、吐き気に耐える作家に並走している。

インディペンデントキュレーター/長谷川 新

手記/a note

野口玲一賞

山口 由葉Yuiha Yamaguchi

東京藝術大学大学院

Tokyo University of the Arts Graduate School

審査員コメント
身辺の事象を描く絵画と、作家なりの方法に従って制作された陶の立体の間には落差がある。しかしそれらが対比され、表現としてひとつの世界を創りあげていた。とりわけ描かれた絵画として作られた、陶のあり方には新鮮な驚きを感じた。

三菱一号館美術館 学芸員/野口 玲一

バス内からの景色/Scenery from inside the bus