展望台
ジム・ダイン
1990年/ブロンズ、塗料/アメリカ
ジム・ダインは60年代初期から活躍するアメリカを代表するポップアートのアーティストの一人です。抽象表現主義的なタッチで描いた画面に、洗面器や工具類など日用品を取り付けた絵画を制作しています。《展覧台》は、《ミロのヴィーナス》を実物よりも小さく模し、頭部を失くして荒削りに面取りした2体を、岩のような質感のブロンズの台に乗せたもの。1980年以降よく取り上げられた題材ですが、「私は自分の伝記の記述者であることにしか興味はない」と述べる通り、《ミロのヴィーナス》もまた作家の情感を反映したものに変貌させられています。