巨大な町
ルイジ・マイノルフィ
1987年/ブロンズ/イタリア
1948年、イタリアのロトンディ生まれ。第5回ヘンリー・ムーア大賞展で優秀賞を受賞したこの作品は古代イタリアにアイディアを得て制作されました。遠くからは青銅色のふくよかな人の形にみえますが、近寄って見ると、全体に窓状の空隙が無数に施されています。まるで古代の城塞か、中空都市のようにも見えます。この時期、都市の成長や人間の存在を象徴する彫刻を制作しており、本作でも自然界から生まれたブロンズと人体のフォルムに、人間の生み出した文明の象徴である都市を組み合わせることで、両者の調和や緊張感を視覚化させています。